7. 漢字文化圏

7. 漢字文化圏

「漢字文化圏」とは何か? これは、東アジア文化圏を意味する日本語および中国語の表現である。全ての、とはいわないが多くの人々は、かつてベトナムが漢字文化圏の一部であったことを殆ど知らない。漢字文化圏とは、自国の言語を表記するのに漢字を使用している、あるいはかつて使用した国や地域のことである。さて、現代中国語、現代日本語、現代韓国語(ほぼ廃止)が漢字を使っていることは誰でも知っているが、ここに示すのは何語か、知っていただろうか?

正解は、広東語、台湾語、ベトナム語。3つ目は、Chu Nom (Chữ Nôm 喃)と呼ばれ、漢字、あるいは漢字方式で考案された文字で書かれたベトナム語である。約千年間、ベトナムが漢字文化圏の一部であったことを知ると、大抵の人はかなり驚く。

ハノイ文廟Van Mieu Temple)に残る Chu Nom 文。
過ぎし時代の漢字。

私のように日本語や中国語を話す人間にとっては、ベトナム語の学習において新単語を学ぶときに、このことが大変役に立つ。例えば、「政治」(chính trị)は、日本語とベトナム語で語源が同じであり、発音も似ている。Chu Nom 表記は1930年代に殆ど廃止されたのだが、今日でもあちこちの看板に残っている。これは、私のホテルの窓の直ぐ外に見える壁で、Chu Nom が書かれている。勿論、数多くある仏教寺院に行けば、漢字を見ることができる。

Chu Nom 文字の変換サイトまである。

現代広東語。
現代台湾語。
漢字で書かれたベトナム語 Chu Nom 。