3. 世界で最も危険な言語

3. 世界で最も危険な言語

ベトナム語の音韻体系はとても複雑で、7000近い音節と6つの声調(8つとする説もある)がある。ベトナム語は、特にハノイ方言の場合、「声門閉鎖音」が実に多い。私たちの研究所では、7000近い音節(と声調)を収録した表を編纂したので、見て頂きたい。7000近いというのは本当の話だ!

ベトナム人が話す時、声門閉鎖音が来る度に喉を詰まらせているように聞こえる。窒息寸前ではないかと思うほどである。私はある日、「最も発音するのが危険な単語」賞が取れる語句に遭遇した。綴りは「cưới ngựa」で、意味は「馬に乗る」。ここに登場するのは、私が「トータル・イマージョン」方式のベトナム語研修の一環として夕食を共にした Nguyen 家の皆さん。窒息することなくベトナムの馬に乗る技を披露してくれているところ (^_^)

「cưới ngựa」 — 窒息することなくベトナムの馬に乗る技。
なぜベトナム語が最も危険かを説明する Thuy 。

最初の2つの単語「cưới ngựa」を御両親と娘さんが発音するのを聴いて頂きたい。皆さんは、喉を詰まらせずに言えるだろうか? そこで私はベトナム語を「世界で最も危険な言語」と名付けることにした。というのも、危険な語句を2つ、3つ言おうとするだけで、喉が詰まり、ゲッと反応し、息が止まり兼ねないからだ! 次の動画は、私の先生の一人、Thuy が「最も危険な言語」で馬に乗る方法を説明しているところ。Thuy が発音すると「cưới ngựa」はこうなる。

もう一人の私の先生 Van Anh は、この「珍説」が痛く気に入って、私の学習ノートを小冊子に綴じてくれた上に、「世界で最も危険な言語は何語?」というタイトルまで付けてくれた。私はこの小冊子を旧約聖書よりも大切にしている (^_^)

素晴らしい私の先生 Van Anh Pham 。
Van Anh Pham が制作した小冊子「最も危険な言語」。

それではこの危険論を更に1歩進めてみよう。Van Anh が次に書いてくれた文は声門閉鎖音だらけで、恐らく皆さんの喉は詰まり、息ができず、喘ぐだろう。それもいっぺんに! “Nghĩa vừa cưỡi ngựa vừa cười ngặt nghẽo nên ngã ngựa, Nghĩa cười ngượng nghịu,”というのがそれだが、意味は、「Nghia は乗馬中に大笑いし続けて落馬した。Nghia は照れ笑いした」。動画を見るときは、くれぐれも気を付けて。(^^)

しかし、結局のところ、この「最も危険な言語」を学ぶ為に、わざわざ生命保険に加入する必要はないと思う (^_^)

最も危険な言語の最も危険な文 (^^)