日中韓辞典研究所では日中韓各語とアラビア語の語彙を対象にした大規模な辞書編纂を専門的に行っているが、このほど日本語音韻データベース（以下「JPD」）を完成させた。JPD は日本語の言葉や名前が実際の会話でどのように発音されるのかを、国際音声記号（IPA）準拠の音声表記と発音記号によって正確に示した初のデータベースである。
特徴
- 全ての収録語にIPAによる正確な音声表記及びアクセント記号を付与
- 特に音声技術アプリケーションを想定したデザイン
- 国立国語研究所の協力を得て開発
- 日本語の音韻に精通した言語の専門家と日本人編集者による編纂
- 異音変異パターンに基づく数十万通りの異表記をカバー
日本語の中核となる語彙を含むJPDは、この種のデータベースとしては質・量共に前例を見ないものである。 国立国語研究所 の依頼をきっかけに開発され、日本語教育用の高度なCAL（コンピュータ支援学習）システムに活用されている。また、当研究所のノウハウは世界を代表する音声技術企業の一つに技術供与されており、同社の埋め込み型音声認識製品に活用されている。
日中韓辞典研究所は長年に亘って日中韓及びアラビア語の音声・音韻研究を続けてきたが、JPDは日本語音声学の訓練を受けた当研究所日本人編集者チームの豊富な経験を基盤として開発された。当研究所の究極目標は、IPAに準拠した中国語・韓国語およびアラビア語の体系的な音韻データベースの完成である。
下記のサイトでは、JPDの詳細な解説と日本語音韻学に於ける諸問題に関する論文が閲覧可能である。
典型的な応用例
- 音声合成システム（TTS）
- 音声認識システム
- モバイル検索アプリケーションのためのVUI（ボイスユーザーインターフェイス）
- 日本語音声認識アプリケーション開発及び教育研究
- 日本語音声技術の研究開発